こんばんは。2000年代前半振り返りも残すところあと2回。今日はこちら。
Kev Brown "I Do What I Do" (2005年)
Kev BrownがUp Above Recordsよりリリースしたデビュー・アルバム。
自分の記憶が正しければ、こちらの作品はアンダーグラウンドHIP HOP好きの中でもリアルタイムで「マストチェック!」というよりは、少しずつジワジワと、後効きで人気が出てきた印象です。
その後、徐々に知名度を上げていき、2010年頃にはアンダーグラウンド屈指の人気プロデューサーとしてその名を知らしめていた...気がします。
実際、自分も当時アンダーグラウンドのHIP HOPは結構チェックしてましたが、KEV BROWNの存在はなんとなく知っていたものの、このアルバムを知り、購入したのは2012〜3年くらいだったはず。
というのも、昨日ご紹介したPeople Under The Stairesとは対照的に、とことんウワモノをチョップフリップするそのビートメイクのスタイルは、決してわかりやすいというモノではなく、ミニマルで中毒性のあるそのグルーヴは「気付いたらハマってた」系なんですよね。
ソウルフルでサンプルの温かみは残しつつも、メロディよりはベースと間に重きを置いたプロダクション、Dilla/UmmahやHi-Tekのように硬質でリリースの短いドラムライン、でもそれらとも少し違うユレ/グルーヴ感...。
要は「地味だけどハマるビート」、なんだと思います。
2000年代前半は、アンダーグラウンドHIP HOP界隈でもまだまだ古きレコードを掘り起こし、ナイス1小節のループを抽出する...そんなHIP HOPを愛するファンが多く(かく言う自分もその1人でした)、この手の斬り刻んで全く新しいグルーヴを生み出すプロデューサーのビートにすぐさま反応できる土壌は出来上がっていなかったように思います(嫌いというよりは"困惑"、"ピンとこない"といったイメージ)。
その後、抜け感や、間、そこから生まれる独特のユレ、グルーヴと言った聴き方/耐性が次第に浸透するに連れて、KEV BROWNの素晴らしさが認知されていく...そんな流れだったように思います。
地味だけど、玄人好みでオリジナル。そんなアルバムです。今聴いてもバリバリカッコいいです。
是非聴いてみてください。
HISAYA
#音楽日記 #RammersLabel #HIP HOP